君の声、僕の歌姫
イフェルに感謝する間もなく、ラウトはそれを受け取ってすぐに古城を後にしました。

事情を知ったフェアギスが用意した白い龍の魔物に乗って。

その場に残ったのはフェネルとイフェルの兄弟でした。


「お前、これでまた暫くは村を破壊しない気がする」
「何を根拠に」
「ラウトの事だ。口ではああ言っているが、恐らく父親の存在が嬉しい筈だ。
またお前に会いに来るかもしれないぞ」
「あんなバカ息子、こっちがお断りだ」


そう言うイフェルの表情は1000年前、ダーリアと過ごしていた時と同じ優しい表情でした。

ラウトと言う存在のおかげなのか、2人は和解をしていました。
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