君の声、僕の歌姫
ラウトは人目を気にすることなく、龍から降りるとローゼの元へ駆けて行きました。

ローゼは泣きたいのや怒鳴りたいのを堪え、ただ無言でスティーの居場所を指差しました。


「早く行ってあげなさい!」


ボロボロの姿のラウトの背をローゼは見送りました。

ラウトはローゼの指差した場所へと入って行き、そこでスティーの姿を見つけました。

スティーもラウトに気付き、彼女もまたローゼと同じように泣きそうな表情でした。


「あれ? スティー髪切ったのか? まあ良いや。ほら、これを飲め」


イフェルから渡された液体をスティーに渡しました。

スティーは躊躇うことなく一気に飲み干しました。

それを見届けたラウトの心臓は高鳴りました。果たして声は戻ったのでしょうか?
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