君の声、僕の歌姫
スティーは恐る恐る声を出してみました。


「………………………………あ」


透き通るようなラウトにとってはとても懐かしい声が響きました。

瞬間スティーは堪えていた涙を流し、ラウトに抱きつきました。


「ラウト……っ! ごめんなさい、ごめんなさい……!」


ラウトは何故謝るのか分からないスティーを宥めました。

そして優しく話し掛けます。


「泣くなよ、今から人前で歌うんだろ? 折角の顔が台無しだぞ?」


それと同時に神父がやってきて、国王が来た事を告げました。

スティーは神父と共に外の大広場へと向かいました。
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