君の声、僕の歌姫
「姉ちゃん、ちょっと」


スティーがなかなか解放してくれないので、

ラウトは少し離れた場所にいたローゼを手招きしながら呼びました。

ローゼが自分の近くまで来たところで、ラウトはポケットの中を漁り、

フェネルがくれた片方のペンダントを渡しました。


「本当はスティーに預けたいけど、姉ちゃんが持っていた方が良いと思って」
「何なの? これは」


ラウトはローゼだけに聞こえるように小声で話しました。

フェネルの事全てを、そしてペンダントの事も。

ローゼは半信半疑でしたがペンダントを受け取りました。
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