君の声、僕の歌姫
「あたしで良いの? スティーちゃんじゃなくて」
「スティーに渡したら俺も何かきついって言うかなんて言うか……
ずっとスティーの心配しちゃいそうで怖いんだよな」


ラウトはポロリと本音を吐きました。ローゼは何も言わずに微笑みました。

それを見たラウトは、腕にしがみついたままのスティーをローゼに差し出すと、


「スティーの事は姉ちゃんに任せる。
スティーに何かあったら、危ない事が起こったって強く念じてくれ。それから」


ラウトは教会側の人間や、中年の男に向けて言いました。


「女神かもしれないけどさあ……一応スティーだって人間で女の子なんだから。
面会も全て謝絶にするのはアホかって感じなんだけど。
限られた人間にしか面会出来ないようにするとか出来ない訳?」
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