君の声、僕の歌姫
それはどの医者に見せても結果は同じ事、と言うかのように。

ローゼは苦しむラウトの傍で泣き崩れました。

何も出来ないうえに、3日以内に必ずやってくる永遠の別れ。

両親もなくたった2人きりの家族。

こんなにもあっさりと別れは訪れるなんて。ローゼは絶望の底にいました。

自分が変わってあげられたらどんなに楽だろう、と。

何度も何度も彼女はそう呟きました。


小さな村なだけに、ラウトの原因不明の病の噂はすぐに広まりました。

それは勿論スティーの耳にも。

噂は嘘だと信じたいスティーはすぐにラウトの元へと行きました。
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