君の声、僕の歌姫
ラウトは降り注ぐ声に驚きながらも、歓喜します。

これでこの迷路ともいえる深い森から脱出出来ると思ったのでしょう。

が、ラウトの期待はフェネルの次の一言により掻き消されました。


『ワタシはただ伝え忘れた事があっただけだ。お前を助ける為に話しかけたのではない』


あの時に散々説明を受けたと言うのに、まだ説明忘れがあったのか。

ラウトはそう思いうんざりしました。


『良いか? お前は知らないかもしれないが、この先魔物が出る筈だ。
お前を意図的に狙った奴から、ワタシや他の2人からの加護を受け切れなかった町や村。
その近辺にはな。気をつけろ。まあ、あの魔法とかがあれば何とかなるが』


そんなラウトを無視したフェネルの発言に、ラウトは唖然としました。
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