君の声、僕の歌姫
「ど、どうしたら良いんだよ……!?」
『それは自分で何とかしろ。とりあえず助かったらまた続きを言おう』


無情にもラウトの声はそこで途切れてしまいました。

何とかしろと言われてしまったラウトは、どうすればいいのか分かりませんでした。

魔法を使うにも手も束縛されて使えません。剣も落としてしまっています。

抜け出そうとバタバタと動く事しか出来ず、正に絶体絶命のピンチです。


(何も出来ないで此処で死ぬにはあまりにも情けない。畜生……!)


スティーの返事も聞けぬまま、此処で死んでしまうのかと思い始めたその時でした。


「はいはいっ、と! ハルトー? 準備は……」
「万全だ」
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