君の声、僕の歌姫
「…………ったあー!!」
「頭打ったんだから、動かない方が良いよ」


冷静にハルトと思わしき人物が言います。

が、彼もまた兎ではなく狐のお面を被っていました。

ラウトは再び混乱しました。魔物が2匹もいる、と。

思わず傍にあった剣を握りしめたその瞬間でした。


「ストォープ! 大人しくして! あたし達は魔物なんかじゃないって!」
「……むしろ君の味方デス」


2人がそれぞれのお面を取りながら片方は慌てながら、

片方は棒読みかと疑ってしまいたくなるような冷静ぶりで、

自分達は敵じゃないと主張しました。
< 50 / 227 >

この作品をシェア

pagetop