君の声、僕の歌姫
「ちょっと一応って何!? 一応って!」
「んー……何となく?」
「何となくで一応なんて言葉を使うな! バカ!」


キルシュの一方的な不満を受け流しながら、ハルトはまた適当に言います。

その様子を見ていたラウトは何だか元気を貰ったように感じ、

思わず吹き出してしまいました。それに真っ先に気付いたのはキルシュでした。


「何!? 何がおかしいって言うの!?」
「いや。カップルって言うのも予想外だけどさ、仲が良いんだな……って」
「当たり前でしょ? あたし達は恋人同士なんだから!」


誇らしげに言うキルシュ。それをただ傍観するのはハルトでした。
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