君の声、僕の歌姫
前触れもなく突然フェネルの声が聞こえたからか、ラウトは身をびくつかせました。

フェネルの声が聞こえないキルシュとハルトは、

ラウトが何故そんなリアクションをするのかは分かりません。


「ラウト?」
『お前1人で抱え込むな。今のお前には協力者が必要だ』


キルシュとフェネルの言葉を同時に聞いたラウトは、

このままではキルシュ達もフェネルも承諾するまでは言い続けるだろうと判断し、


「……仕方ないな。一緒に行くか」


それは半ば諦めモードでもありました。

キルシュはそうとは知らず、喜びながらラウトに抱き付きました。
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