君の声、僕の歌姫
知らないリミット
「スティーちゃん、安心して! ラウトはまだ元気だから」


とある日の午後。天気は曇りでした。

ローゼはスティーとの面会の為、教会にいました。

彼女以外の部外者には会えないとはいえ、

スティーは幽閉された直後よりも笑顔でいる時間が長くなりました。


『良かった。ラウト、まだ死んでいないんだね』


そう言って、またスティーは微笑みました。

ローゼも思わず釣られて笑みを浮かべてしまいます。

スティーは立ち上がり、ラウトの無事を願って歌おうとします。

しかし声は出ません。笑顔が再び失われました。
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