君の声、僕の歌姫
慌ててローゼはスティーを解放しました。

慌てたローゼの様子を見て、スティーは神父が来た事に気付きました。

神父の表情はとても険しいままでした。

ローゼは抱きしめてしまった事を咎められるんじゃないかと、心臓をドキドキさせました。


「な、何か用でも? 面会時間はまだ大丈夫かと……」
「違う! そうじゃない。大変な事になった。1ヶ月後……」


丁度その時勢いよく雨が降り出しました。

それはまるでローゼだけではなく、

その場にいたスティーと神父の気持ちをも表しているかのようでした。

ローゼは戸惑いながらも2人を励ますかのように言います。
< 91 / 227 >

この作品をシェア

pagetop