君の声、僕の歌姫
見た目とは裏腹に妙に気さくな喋り方をするマスターは、

自分から1番遠くに離れていた男に出て行くように命令しました。

命令された男は納得がいかず、マスターに歩み寄り文句を言いだしました。


「何でだっ! 何で俺だけ退場なんだ! 納得いかねえよ!」
「君、うるさいんだよね。奥の部屋まで聞こえて来たよ。ボク、うるさい人嫌いなの。
姿を見て、声を聞いて確信したよ。あのうるさいのは君だってね。
だから退場。はい、さようならって訳。分かったならとっとと目の前から消えて?」


すると男は持っていた棍棒をマスターに振りかかりました。

マスターは笑顔のまま、片手でその棍棒を掴みました。

そのまま棍棒は男がどんなに動かしてもびくりともしません。
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