空色のアリス
「やぁ」
「アリス」
「ようこそ」
「不思議の国学園へ」
「僕の名前はティー」
「僕の名前はカップ」
「「よろしく、アリス」」
にっこりと微笑む彼らは
驚くほどに同じ顔。
黒いショートヘアー
まだ幼い顔立ち
何故か二人とも
黒いスーツを着ていて
ティーくんの胸元には
ハートとエースが
カップくんの胸元には
ダイヤとクラブが
紋章として付いている。
ティーくんの瞳は赤く
カップくんの瞳は緑色だ。
「よ、よろしくね…」
驚きを隠せないまま微笑むと
彼らは嬉しそうに
にっこり笑った。
そして、二人に掴まれた
私の手を奪い
私にピッタリと寄り添う。
すると
ハット先生と白兎くんは
言い争いを止めた。
どうやら、いつも
二人の喧嘩を止めているのは
この双子くんのようだ。
「先生」
「早く」
「教室に」
「行こうよ」
この言葉で二人は
素直にうなずき
教室に入った。
とりあえず、ひと安心。