君にキス。
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…翌日。
一枚の食パンをかじりながら、カラッと乾いたアスファルトを踏みしめる。
「………ふぁっ」
欠伸を一つして歩き、行き先はまずコンビニ。
いつものようにメロンパンを取って、レジに向かう。
最近見慣れてしまった店員、聞き慣れた数字を口にして、
「ありがとうごさいましたー」
マニュアル通りの声と共に、コンビニを出て再び歩き出す。
メロンパンが入ったビニール袋を片手に提げて、とぼとぼと一人で歩く。
その時、
「陸ー、おーっす」
後ろからパシンと背中を叩かれた。
そいつはお馴染みの深。
「おお、おっす」
「元気ねーな」
深が元気ありすぎるんだよ、と突っ込む暇もなく、学校へと足を進めた。