君にキス。
歩く度にガサガサと音を立てるコンビニのビニール袋。
深がさり気なくその中を覗き込んだ。
「なになに、またメロンパンナちゃん買ったの? 好きだなー」
「うるさい」
きっと毎日食べてると自分でも思う。
それだけメロンパンをこよなく俺は愛している。
もうアレだな。
メロンパン一年間食っても飽きないな。
「なあ陸、」
「ん?」
改まって深が話し出す。
仕方なく耳を傾けることにする。
「お前さー、彼女とかつくらないわけ?」
「…は?」
唐突過ぎるその質問。
驚くが、しかし立ち止まったりはせず、深を見る。