君にキス。
深は俺をチラッと見てから、すぐに目を逸らした。
何が言いたかったのか、頭を回転させる。
が、結論は出ず。
「いきなりなんだよ」
深から目を逸らしながら、ため息混じりに言った。
「いやいや、気になってさー」
「……」
彼女、とか作らないんじゃなくて、ただ単に興味がないだけ。
俺が黙り込むと深は何かを察したのか、
「勿体ねえなー、陸結構人気なのに」
と言いながら脱力。
──…そんな脱力されても。
困るのはどう返答するか。
「……知るか、んなもん」
自分も訊きたいくらいだ。