君にキス。






深は俺をチラッと見てから、すぐに目を逸らした。
何が言いたかったのか、頭を回転させる。
が、結論は出ず。






「いきなりなんだよ」


深から目を逸らしながら、ため息混じりに言った。




「いやいや、気になってさー」

「……」



彼女、とか作らないんじゃなくて、ただ単に興味がないだけ。


俺が黙り込むと深は何かを察したのか、
「勿体ねえなー、陸結構人気なのに」


と言いながら脱力。




──…そんな脱力されても。
困るのはどう返答するか。


「……知るか、んなもん」




自分も訊きたいくらいだ。
< 14 / 88 >

この作品をシェア

pagetop