君にキス。
とにかく……、可愛いとしか言いようがない。
「よし陸! ターゲットはあの子にしよう!」
深がそんなことを言い出すもんだから、やっと離れてきたクラスの視線が再び俺に降りかかる。
ターゲット? なんだよターゲットって? なんかやんのか? 狙ってんじゃない?
クラスのささめきが聞こえる。
ぜんぶぜんぶ、深のせいだ。
ため息を着きながら目を閉じる。
そこに浮き出てくるのはさっきの笑顔。
そして俺に降りかかるクラス中の視線は、もっと冷たい方に流れていた。
「陸の未来の彼女にバンザーイ」
ぜんぶぜんぶ、深のせいだ。