君にキス。
自己紹介の紙の何が面白かったのか、書いた俺自身も何かわからないんだが、深にはツボる答えがあったようで。
深の笑いのツボがわからない。
昼時、コーヒー片手に、いつも昼飯を食べている場所に移動する。
中庭のベンチ。
日差しが当たって、わりかし暖かい場所なのに、中庭はあまり人気が無く閑散としている。
通り過ぎた購買には、人だかりが出来ていた。
購買で作業するおばちゃんは忙しく働く。
いつでも笑顔を絶やさないおばちゃんは、素晴らしいと思う。
関心しながらベンチに座り、コンビニの袋に入っていたメロンパンと、さっき自販機で買ったコーヒーをベンチの上に置いて手を合わせ、
「いただきます」
と一礼。
そんな俺の頭上で、クスクスと笑い声。
「陸、なんか可愛いな」
そう言いながら笑いを必死に耐えているのは、深。
いつの間にかすぐ後ろにいた。