君にキス。
「おぉ、なんだお前……じゃないだろ! 陸の噂話、すっげえ広まってるって!」
……噂話?
俺の噂話など、聞いたことない。
なんせ一年のとき、浮いた話がない人No.1に輝いたほどだったから。
「……噂話になることは何もしてねえよ」
「きッ…、昨日の相合い傘!」
深は少し躊躇ったあと大声でそう叫ぶ。
朝っぱらからうっせえのなんの、いい迷惑だな……、っと。
それより。
「……相合い傘…?」
実際に口にしてみると、言うまでもなく顔が熱で火照る。
カアッと顔が赤くなる。
「本当なのかよ、相合い傘ってのは!」
そんなことを言われても、うん、なんて言えるわけもない。