君にキス。






口を尖らせてプンプン言いながら怒ってますオーラを醸し出している深をよそに、教室へ向かう。


──…少し、いや、かなり、




大変なことになっていたのは、きっと全部深のせいだ。







相合い傘? え、彼女いんの? まじショックー… ちょっと誰か聞いて来いよ。まじかよ。お前行く? うわっ、止めろ押すなって!




クラスの奴らはもちろんのこと、廊下からの話も全部耳に届いてくる。


全く、迷惑な話だよあの一年。






「………」






何か言ってやろうと思ったが、相合い傘をしたのは事実だし、放っておいたほうがいいかもと考え、何も言わずに机に着いた。
< 47 / 88 >

この作品をシェア

pagetop