君にキス。
4.複雑心境。
──日曜日。
自宅マンションにて。
いつもは昼まで熟睡中だが、今日の日曜は違った。
いつもよりせせこましく感じるシングルベッドで、背中をバンバンと叩かれ、目を覚ますと
「よお陸! グットモーニーングッ!」
すぐそばに、深の笑顔。
しかもうるさい。
そして何より、近い。
「…何故、」
「ん?」
「何故ベッドにいるお前」
同じベッドの上に、同じ体勢で、私服。
ベッドから刷り落とそうと足で軽く蹴るが、深はしぶとく落ちない。
「……ちろ」
「へ?」
「落ちろって! このバカ!」
そのまま蹴りを腹に入れ、くたばる深を上半身を起こし見下ろす。
寝込みは……、襲われていない。