君にキス。
引きずられること数分。
何故か着いたところは、駅前のカフェ。
「…朝飯?」
「ちっがう!」
人通りが多く、日曜なのに忙しそう。
駅前のカフェは薄い茶色をベースとし、ドアには『OPEN』とおしゃれに手書き。
ドア付近はカラフルな花が咲いている。
「何すんだこんなとこで」
「いいからついて来いって。大丈夫大丈夫、大丈夫だから、な?」
深が先にドアを開けた。
カランカランとドアの上に付いていた鐘が鳴る。
カフェ内の冷房の効いた冷たい空気が肌に触れて心地いい。
そしてそのまま、レジからかなり離れた周りより一回り大きいテーブルまで歩く。
ザッと数えて10人くらい座れる。
おしゃれなイスは、窓側に5個、反対側にも5個。
まるで誰かを待っているかのように置いてある。
机にはイスの数に合わせて氷水が揃えられていた。
「深、なんだこれ」
「まだみんな来てないみたいだから座ってようぜー」
俺の質問に答えることなく、淡々とことを進める深。
深をチラ見してから、仕方なく窓際の一番隅に腰掛ける。