君にキス。
5.詰問、開始。
「なあ陸ー、どこ行くのー?」
「………」
ただ向かっていた。
長い廊下に続く、長い階段に。
その先にある、学校の最上階に。
ドアを開けたら、青空が待っているあの場所に。
「久しぶりに来たな、屋上っ」
「…だな」
屋上には誰もおらず、いつもより静かだ。
しかしその静けさが、どこか落ち着きない。
深はすぐにフェンスに寄りかかかって、伸びをする。
その深の背中を見つめながら、いろんなことを考える。
けど、
──…『アレは本当か?』
それがどうしても訊けなくて。