人魚姫~A Mermaid Princess of victory~
彼女の手紙から2週間、俺は表彰台に上ることだけを考えて走り続けた。
いつか
`絶対に表彰台に上がってみせる´
と言った彼女に認めてもらいたくて。
“直、もっと楽にしな。楽しめ”
“おぉ、行ってくるわ”
そう言ったものの、不安が残る。
“位置について、用意”
パーン!
ピストル音と共に走りだす。
どうしてだろう?
今までどうり体が動かない。
`マリン´、俺じゃだめなのかな…?
俺じゃ、人魚姫の王子様には、なれないのかな?
陸の上にいるのに、息苦しい。
まるで、深海の中で溺れているようだ…。