人魚姫~A Mermaid Princess of victory~

何を?って顔をする彼女に、さらに言葉をかさねる。


“なんで、助けたんだ?正体隠してまで”


“あぁ、その事?

だって、
`桜木詩音´は、`人形姫´でしょ?

そしたら、意地でも無表情で接しなきゃいけないじゃない。


王子様に”


彼女の目には、うっすらと涙が溜まっていた。


そんな彼女が、愛しくて、思わず抱きしめた。



“ねぇ、人魚姫。


俺、中学の頃からずっと好きなんだけど”


“ありがとう、王子様”


“お姫様の気持ちは?”


“…好きです”


彼女は顔を真っ赤にして言った。


“詩音可愛い”


“――…”


わざと意地悪く、耳元で囁くと、彼女の真っ赤な顔は、さらに赤くなる。


< 118 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop