人魚姫~A Mermaid Princess of victory~
“詩音、この写メ・・・”
“あっ”
顔を真っ赤にする詩音の待受画面は、いつの日かの、電車のなかの写メ。
“詩音も、持ってたんだ”
“・・・引いた?”
“いや・・・、むしろ嬉しいんだけど”
そう言って自分のケータイを開く。
そこにあるのは、
詩音の走る姿。
“ちょっと、いつ撮ったの?”
“昨日の大会。ホントは、他の奴に見せたくないけど”
“もう、やめてよ―…”
“じゃあ、俺も詩音と同じ写メにしよっと。じゃあ、勉強頑張ろうな”
顔を赤くする詩音を置いて、その場を後にする。
これ以上居たら、帰りたくなくやるから。