人魚姫~A Mermaid Princess of victory~
“大丈夫?”


目を覚ますと、目の前には、さっきのサーファーがいた。


驚いたことに、そのサーファーは男ではなく、綺麗な女だった。


“ハイ…”


俺が返事をすると、安心したように微笑んで、一つにまとめてあった髪をほどいた。






“貴方、何に思い悩んでるのか知らないけど、











海で自殺はしないでよ”


女は厳しく言った。


その笑顔は優しいのに…。


“自殺する気はありません”


俺は力無く答えた。


そんなふうに見えるのだろうか…?


“そう。じゃあ、何を悩んでいるの?”


“実は――……”


俺は全てを話していた。


海で溺れた俺を助けてくれた、人魚姫のような女に。



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