人魚姫～A Mermaid Princess of victory～

“そう…。


ゴメン、悪いことした”


“いえ、助けていただき、ありがとうございました”


空を見ると、だいぶ暗くなっている。


どれくらい気を失っていたのだろうか？


“あの、どうして助けて下さったのですか？”


ふと疑問に思った。見ず知らずの俺をどうして助けたのだろう…？


“だって貴方、










走ってる時ずっと私のこと見てたでしょ？










羨ましそうに。










だから気になったの。










それに、











海で自殺されたら困るでしょ？”



女はいたずらっぽく笑った。


“だから違いますっ”

俺もつられて笑ってしまった。


“貴方、お名前は？”


“俺は、早川直。

貴女は？”


“さぁ？


私は貴方を救った人魚。










もしくは、










唯の女子高生。










じゃあ直、










表彰台で待ってる”


女は海に飛び込んだ。