人魚姫~A Mermaid Princess of victory~

着いた先は舞台裏だった。

すでに着替えや片付けが終わった生徒たちがいて、その中に高田がいた。

“おお、やっと来た。詩音と由貴呼んで来るから待ってて”

“サンキュー”

“おっ、詩音姫と由貴姫の王子様の登場か”

“せっかくだから、一緒に写真とって行きなよ。うちら今日はもうこれで解散だからさ”

“ああ、もしかしてうちらが誰か分かってない?”

俺と翔が怪訝そうな顔をしていたのか1人が聞いた。

“そっか。うちら、2人と同じ陸部の同期ね”

““おお、ありがとな””

俺たちがそんな会話をしていると、颯爽と歩く朝倉に引きずられる形で詩音が来た。

“嫌だー写真なんて撮りたくないー。早く着替えて帰るの”

“着替えたければここで脱げば?あんたの彼氏もいるけど“

“ちょっと、呼ばないでって言ったじゃん!!由貴の鬼ー”

“ッるさい。っで、どうするの?写真を撮るか、ここで着替えるか”

・・・朝倉って、マジで鬼だな。

“長谷川君、どうにかして詩音をなだめて。うちらも写真撮りたいから”

陸部の1人が耳打ちした。

“了解”


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