人魚姫~A Mermaid Princess of victory~

この日は、俺も詩音も、明日に備えて早く寝るため、勉強会はなしだ。

“直、あんた明日の用意は大丈夫なの?”

“ああ、大丈夫。今日は早めに寝るは”

“ふーん。あんたが大学行くって言いだした時はどうなるかと思ったけど、ちゃんと勉強しできてんじゃん。明日は、自信もってやってきな。詩音と一緒に大学いくんでしょ?”

“なんで知ってんだよ?”

“えっ?だって、翔君だっけ?あんたの同級生が言ってたわよ?”

“・・・あいつ余計なこと言いやがって”

“いいじゃない。あの子たちだって応援してくれてる。それに、辛いのは何もあんただけじゃないんだからね?詩音だって、他の受験生だって、すっごく辛い受験勉強乗り越えてきてんの。気持ちで負けたらそこで終わり。それは運動も勉強も同じなんだから、ちゃんと最後までやってきなさいよね”

“分かってるよ。じゃあ、おやすみ”

姉ちゃんの言葉のおかげか、不安は和らいで、この日はいつもより早く寝付くことができた。


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