人魚姫～A Mermaid Princess of victory～

俺は精神統一をしようと、


遠くを見つめていた…。


“直？”


疑問形で俺の名前を呼んだのは、他でもない｀マリン´だった。



“久しぶり”


“うん。全国出場おめでとう”


“なんで知ってるの…”


“あの日、貴方を見てたから”


“ねぇ、本名教えてよ。俺、表彰台に上ったんだから”


“見つけてくれなかったのね”


“えっ？”


“私も、表彰台上がったの”


“ゴメン”


“じゃあ、また全国大会でね”


“待ってよ”


“うん？”


“種目は？”


“ご想像にお任せします”


“ねぇ、彼氏いるの？”



俺は咄嗟に聞いていた。



｀マリン´は驚いて目を見開いたが、


“It isn't related to you.
彼女、いるでしょ？”


そう言って真っ赤なサーフボードを持って去って行った。