人魚姫~A Mermaid Princess of victory~
“…桜木!?”


俺が行こうとすると、姉ちゃんがそれを止めた。


“あんたはちょっと待ちなさい。布団、しいといて”


“分かった”


言われた通り布団を敷くと、姉ちゃんが血相を変えて走って来た。

“すごい熱だよ。いまタオルかけてきたからちょっと運んで”


“…タオルかけた、って、家に送んなくていいのかよ…”


“だって、詩音一人暮らしだもん。家で面倒見た方がいいでしょ?”



“はっ?”


“知らなかった?詩音の親は今海外。じゃあ、私出かけるから、あとよろしくね”


“おい…”


俺の声も虚しく姉ちゃんは出て行った。


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