泣き虫

玄関の鍵を開け、初めて私たちは顔を合わせた。


私の目の前には、目を真っ赤にして腫らしている小柄な男がいた。


その男の不細工なツラを見たら、笑えた。


「貴女も笑える顔だよ」

笑いながら、男は鏡を渡してきた。

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