現代戦国時代2
「ははははっ!」
 
由利は初めて俺の前で高らかに笑った。
 
笑いすぎて涙まで出ている。
 
「なんだよ?」
 
「あんたも真田十勇士と同じ名前なんだね?私もだよ、由利鎌之助。真田十勇士と同姓同名さ」
 
由利鎌之助。
 
まるで男みたいな名前だ。 

「本名?」
 
「んなわけないだろ?偽名だよ」
 
あっさり否定され、由利は町中をてくてく歩いていく。
 
行き交う人々は奇抜な格好の由利を見て、何度も振り返っていた。
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