もしも。
◆もしも貴方になれるなら◆
もしも私が貴方なら、人生を楽しく生きるでしょう。

もしも私が貴方なら人間関係を大切にしたでしょう。

「あっ、桜井さん。これお願い~」

必要な時だけ話しかけてくる同僚の女の子。

書類を受け取り、パソコンに打ち込む。
女の子の後ろ姿を見つめて私は思う。


もしも私が貴女ならこんな書類、とっくに他の人に回していたでしょうね。

「桜井さん、大変そうだね。手伝うよ」

「いいです」

…予想は外れたみたいね。
沢水は私の書類を奪って自分の席に戻った。

…あーあ。私は今日も話のネタにされるのね。

後ろに立っている部長や社員達。

沢水も余計なことをしてくれたもんだね。



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