だから僕がいない
それでも麻酔から目が醒めた時、僕はとても嬉しかった。もう胸を気にせず歩ける、斜め掛けのカバンを通学に使う事も出来る、何よりあの暑くて窮屈な、胸を押し潰すシャツを着なくて済むんだ、と。

ここで手術の事ばかり話してもしょうがないし、まあそんな話をするなら自分の日記帳にでも書けばいいから、とりあえず少しでも小説らしくするため、僕の生まれてから今までを軽くまとめようと思う。
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