4人の恋
とうとう教室の前に来てしまった。
今は休み時間だからみんな廊下に出て話をしていた。
あたしが教室に入ろうとしたときだった。
「あの〜石川さんですよね???」
だっ誰…???
あたしの前には見知らぬ派手な女の子が立っていた。
「そうですけど、なにか?」
「あのさ!あたしと友だちになろっ!」
へ!!?
とっ友だち!?
「別にいいですけど…」
あたしがそう言うと、その女の子は嬉しそうにやったーっていいながら跳ねていた。
「あっそうだ!あたしは、成瀬密!!よろしくね!」
密ちゃんはあたしに笑顔で自己紹介をしてくれた。
密ちゃんの笑顔可愛いな…きっと、モテるんだろうなあ…
なんて思った。
密ちゃんはあたしがボーッとしているとあたしの目の前で手を振って、
「大丈夫かあ?」
とあの笑顔で言ってくれた。
そういえば、あたしはさっきから何も言ってない。
なんて言えばいいんだろお…
あたしは適当に言葉を頭の中から集めて言った。
「あのっなんか。ありがとう…あたしなんかで良ければ、仲良くしよっ♪」
いっ言えた…
あたしはなぜかホッとした。
それを聞いていた密ちゃんは、なにかを思い出したようで、
「あっそうだ!あたしのことは密って呼んでねっ♪」
それならあたしだって!!
「じゃあ、あたしのことは楓って呼んで♪」
あたしたちは笑いながら話した。
ってか!
あたし、颯人に呼ばれてたんだった!
「密!!あたし、今からようじあるから!また今度話そ!」
蜜は快く受け止めてくれた。
あたしは颯人の場所へと急いだ。