隣の翼くん!
それから、私達は自然に話せるようになった。

メールもする仲にもなった。

これは、チャンス、あるんじゃない?

なんて思ったけれど、翼くんは女遊びがまだ激しくて、やっぱり無理みたい。



「おい、何、ボーッとしてんの?早く消しゴムかしてくれ!」



「あっ・・・ごめん!」



そう返事して、ペンケースから消しゴムを取り出す。

だけど、今日に限って、ペンケースの中に消しゴムが見当たらない。

なんて、運の悪い女なのだろうと自分でも実感した。



「ごめん・・・私も忘れたみたい」


 
この言葉を言うのに、どれだけ勇気が必要だったか・・・。

私って、本当に最悪女。

なんで失敗ばかりなんだろう。



「・・・なんだよ、気ぃきかねぇな」



そう、翼くんは言い捨てた。



私だって、好きで忘れたんじゃない・・・

涙が自然とこぼれてゆく―――・・・


悲しみが増していくのが、自分自身、すごく分かる。


















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