Princessの掟2
第4章
ウエディングドレス
「ごめん。よく聞こえない。」
「…待っててほしい。」
そう言った優斗の表情からは何を考えているのかわからない。
待っててって…
今別れてほしいって言ったばかりなのに。
「百合亜にはこれしか言えないんだ。でも、俺を信じてほしい…。」
「優斗、何があったのか私にはどうしても言えないの?」
私の質問に優斗は首を横に振った。
「ごめん、今は言えないんだ。」
「………分かった。」
優斗のつらそうな顔を見て我が儘なんていえない。
私は優斗を待つことができる?
ううん、待つ。
「ちゃんと迎えにきてよ?」
「百合亜…。」
そっと唇が重なった。
最後のキスは甘いようで、しょっぱかった。
優斗、私ずっと待ってるから。