Princessの掟2






「そうよ、百合亜。気に入った?」



母もニコニコしながら言ってきた。 



「気に入ったわ、お母様。」



優斗にも見せたかったな。 



「はぁー。」



「百合亜、さっき優斗くんに似た人とすれ違ったの。」



お色直しに着るドレスを抱えて美吏那がやってきた。 



そんなはずがない。 



だって、優斗は今美園愛香といるんだから。 



「見間違いじゃない。」



私がそう言うと、美吏那もなんとなく頷いた。 



「言われて見れば、そうかも。もし、来てたら隠れたりしないものね。」



美吏那の言うとおり。 



もし、きてたら隠れたりしない。 






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