Princessの掟2
「百合亜。」
しばらく歩いていると丘みたいなところにきていた。
潤くんはさっきのことはなかったみたいに普段とは変わらない。
私はどうしてもさっきのようにはできない。
「百合亜。」
呼ばれて顔を上げると優しく笑う潤くんがいた。
「そんな顔しないで。俺は、百合亜にそんな顔をしてほしいわけじゃない。…だから、そんなに自分を追い詰めちゃだめだよ。」
ねっと潤くんは私の頭を撫でた。
なんで、潤くんはそんなに優しいの?
そんなに優しいと頼っちゃうよ?
涙を必死に押さえて潤くんに笑顔を向ける。
「ありがとう。」
「いーえ。」
しばらく2人で丘からの景色をみていた。
私にしばらく時間を下さい。
ちゃんと答えを出すから。