Princessの掟2
その瞬間、手が勝手に動いていた。
「…ぁッ」
気づいた時には目の前の彼の頭は水が滴れていた。
「冷たッ…なにしてくれんの?」
当たり前のように冷たい視線で私を見る。
でも、一度キレてしまった私にはなんの怖さもなくて…。
逆に彼を睨み付けていた。
「百合亜は、絶対あなたを選ばない。…今のことで確信したわ。あと、茶番劇はそろそろ終わりよ?」
そう言って、カバンとコートをひったくるように持つとカフェを足早に出た。