Princessの掟2






行かないでッ!!



声を出したくても声が出ない。



追いかけようとしても足が動かない。



お願い、行かないで…!!



「優斗ーーーーッ!!」





――――――………



―――……




「ハッ!」



ゆ、夢かぁ…。



額に浮かんだ汗を拭い体を起こした。



見える景色はさっきと変わらない。



「…いるわけないよね…。」



さっきの夢が頭に浮かんで頭を振ってかき消す。



「戻らなきゃ。」



そう立ち上がったとき。



「百合亜…。」



私を呼ぶ声が聞こえて振り返ろうとした体を止める。



「百合亜…。」



また…



この声を知らないはずがない。



だって…



「…優斗。」







< 342 / 353 >

この作品をシェア

pagetop