Princessの掟2
行かないでッ!!
声を出したくても声が出ない。
追いかけようとしても足が動かない。
お願い、行かないで…!!
「優斗ーーーーッ!!」
――――――………
―――……
「ハッ!」
ゆ、夢かぁ…。
額に浮かんだ汗を拭い体を起こした。
見える景色はさっきと変わらない。
「…いるわけないよね…。」
さっきの夢が頭に浮かんで頭を振ってかき消す。
「戻らなきゃ。」
そう立ち上がったとき。
「百合亜…。」
私を呼ぶ声が聞こえて振り返ろうとした体を止める。
「百合亜…。」
また…
この声を知らないはずがない。
だって…
「…優斗。」