NEVER NEXT

「あなた、お客様ではないようだけど。ここでなにをしているのかしら」


「あ、あの届け物がありまして」

すごく美人を前にして緊張を隠せないけどその人に荷物を差し出した。


「あら、バンリくんのところの…」


良かった。バンリのこと知ってるみたい。
じゃあもう任務完了よね。


「今日バンリくんは?」


「あ、えーと、バンリは一緒じゃないです。」


「あら、残念だわ。一緒に飲みたかったのに」


残念そうに肩を落とすその美人さんを見ながら一体バンリって…何者?と思いつつ、お店から出た


きらびやかな通りを歩きながら任務完了できてほっとしていた。

途中、たくさん働かないかって声をかけられるのが少しウザイけど。


「ねぇねぇ、君かわいいね。うちにこない?」


あー、まただよぉ。
ほんとにやだ。


適当に無視して通りすぎるつもりだったけどかなりしつこい!
前に立たれてしまって進めなくなってしまった。

「あの、急いでるんで」


「そんな、つれないなぁ」

はぁ、ほんとにほっといてほしい。
キレそう!って時に誰かに腕を掴まれてよろけた。


「このコはうちの、なんで」


ケイ!


ケイにそう言われて男はすぐにまたどこかに行ってしまった。


「ま〜た、からまれてるし」

「うっ、だ、だって〜」


また助けられてしまった


「心配できてみればこれだもんなぁ。でもちゃんと配達できたみたいだね。いい子」

そう笑って頭を撫でるケイを見上げて褒められたことに嬉しく
< 20 / 42 >

この作品をシェア

pagetop