15歳
しかし・・・今日は塾だった。

 大嫌いな塾・・・。

 でも、口で言うほど嫌いではなかった。
 
 先生は、ひいきばかりするし、他の学校のくせに悪口を言う人たちもいるけど、

 でも、一つだけ楽しみなことがある。

 なぜなら、あの人に会えるから。

 塾も一緒で、クラスも一緒なんて本当に幸せだ。

 「げっ!
  遅刻する~!!」
 
 私は、ちなみに遅刻魔だ・・・。

 もう何度も遅刻したことがある。

 あのドアをガラガラと開けたときの気まずさ。

 大嫌いだ。
 
 でも、今日は完全に遅刻。

 しかも今日はクラス発表。

 本当に最悪だ~!!


 10分ほど遅れて塾についた。

 出席カードを通して、座席表を見ようとしたら・・・もう無かった・・・。

 先生も誰一人いないし、仕方が無いので、Aクラスから入ることにした。

 テストのできも良かったし、これならAクラスだろう。

 そう思ったのが間違いだった・・・。

 ただでさえ遅れて「恥」なのに、Aクラスの座席表に私の名前は無かった。

 私は、逃げるように立ち去った。

 またBクラスか・・・・・・。

 肩を落としながら、教室のドアを開けた。

 すると案の定、皆に注目された。

 「すみません、遅刻しました・・・。」

 「あなたの席は、あの一番後ろ。」

 先生の指示により、席へと向かった。

 はぁ~、本当に最悪・・・。

 自分の席に着くと、前の子が私に小声で話しかけてきた。

 その子は同じ吹奏楽部の子だ。

 そして、ふと前を見ると、私の視界にあの人が入った。

 席近い!!

 こんな幸せあっていいのだろうか!?

 何もかもが上手くいく、最高の始まりだった。

 その後に、あんな困難が待ち受けているとも知らずに・・・・・・。
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