15歳
あ~眠いなぁ~・・・。
そんなことを思いながら自転車を漕いでいた。
今日は、吹奏楽部朝練の日なのだ。
とは言っても、私の担当であるパーカス(打楽器)は楽器磨きで終わるのだが・・・。
やはり、管楽器の音階で今日も終わり、朝練を終え、新しい一日を迎えようとしていた。
朝練を終え、教室へと向かうと、もう殆どの人が来ていた。
私の席は、右から3番目の前から4番目。
そして隣には・・・あの人。
こんなに近くにいられるなんて最高に幸せだ。
中3になって初めての授業。
それは・・・数学だった・・・。
数学は、はっきり言ってあまり好きではない。
「はい、グループ作って。」
グループ!?
4人グループで、私は女子1人。
それでも良かった。
あの人がいるから・・・。
でも、私は黙々とプリントに取り組んだ。
本当は、あの人と話をしたい。
でも、できなかった。
今までも、そうだった・・・。
近くにいたことは何度もあった。
でも、話をすることができなかったのだ。
「ここ、違うんじゃね?」
あの人が私にそう教えてくれた。
嬉しかった、凄く・・・。
あの人はそれきり、他の班に行ってしまったけれど・・・。