駄菓子屋松金 ─マツガネ─
×プロローグ×
地球が滅んだ。
いや、正確には、人間の手によって滅ぼされた。
兵器を大量生産し、それを濫用した。
兵器を作ることの出来ない国は潰され、裕福な国はそれを使いすぎて自ら滅んだ。
そのことの発端が、政権交代だった。
総理大臣がどうしようもなく変わるので、国民が国会に攻め込み、それを自衛隊が抑えようと試みたのだが、如何せん数が多すぎて、無駄な足掻きとなった。
都市部が戦場になり、周りの郊外地域の者も巻き込まれ、やがて国内を巻き込む内戦となった。
それからと言うもの、国は外国に攻められるようになってしまった。
豊かな水を保有していた国は、外国諸国に狙われていたのだ。
それから世界大戦に発展し、国どころか大地を、地球を滅ぼした。
人間は宇宙に進出した。
地球と同じような星があることを計算によって割り出した学者が、生き残った全ての人間をその星に移すことにしたのだ。
一部の宗教団体は、その学者を“『ノアの方舟』の再来”と言い、まるで神のように崇めた。
──だが、世のなかそう上手く行かないものだ。
その星には、先住民が居た。
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