駄菓子屋松金 ─マツガネ─






結局、男はアリアが呼んだ愛護に連行され、穹人は全員解放された。

解放されたアリアの父と、娘アリアは感極まって涙を流している。


「本当にありがとうございました……!本当に、なんとお礼していいか……」

「私の我儘を聞いてくれて……感謝してます、ありがとう……」


そんな二人に頭を下げられ、常磐とカノヤは苦笑する。

実際、さっきまで常磐は穹人に取り囲まれて胴上げされていた。

彼は、奴隷化された彼らからすると、救世主か何かなんだろう。


「そんな堅苦しいの良いからさ。今度、家族全員でウチに遊びに来てよ。新作入れて待ってるからさ」

「何気に宣伝ですかΣΣもう、いきなりイメージ悪ッ」


常磐の発言にうなだれるカノヤ。

親子は、クスクスと笑っていた。






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